本の紹介① 野菜をつくる こどもたちによる、おいしい野菜づくり。

米や野菜をつくるのは、
元気すぎる子どもたち。
田んぼで米をつくり、畑で夏野菜を育て、丸太からしいたけを収穫するのは、総勢およそ200人のわんぱくな子どもたち。ねやがわ寝屋の森こども園とねやがわ成美の森こども園では、子どもたちが毎日欠かさず世話をして、新鮮な食材を立派に育てます。

本の紹介② 料理をつくる 大人たちの手による、おいしいメニュー作り。

保育園の食材で、
料理を考える大人たち。
子どもたちが一生懸命育てた米や野菜。大人たちは、その食材をどう使えばおいしくなるか、レシピ会議を開いて考えます。試行錯誤を重ねて、予選を勝ち抜いたオリジナルレシピたちは、大人も子どもにも大好評。でもまだまだ開発は続きます。

本の紹介③ おいしいレシピ 大人たちの手による、おいしいメニュー作り。

保育園産の夏野菜レシピ鶏肉と夏野菜の
トマト煮など 11レシピ掲載

保育園産のたまねぎレシピたまねぎの
肉詰めあんかけなど 11レシピ掲載

保育園産の秋の味覚レシピサンマつみれの
きのこ汁など 11レシピ掲載

保育園産の大根レシピ大根とさといもの
和風グラタンなど 11レシピ掲載

保育園産の米レシピ玄米リゾットなど 10レシピ掲載

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保育園産の米

本体価格 1,200円+税
著者:社会福祉法人 大阪誠昭会
出版社:パレードブックス
イラスト: 武政諒
A5判・200頁(ソフトカバー)
ISBN 978-4-434-23577-1
2017年8月発行

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保育園の紹介

大阪誠昭会が運営する認定こども園と保育園では、ただ保育するだけでなく、子どもたちの小さなエピソードを大切にしています。それがつながり、ストーリーになるような時間を保育園で過ごして欲しい。保育園を中心とした小さな社会で、かけがえのない経験を心に刻んで大人へと成長し、次の世代へとつながってほしい。そんな想いから、つながりをもっと強くて太い“きずな”へ育みたいと考え「7つのきずな」を大切にした乳幼児教育を実践しています。そして、子育ての楽しさを伝えたい。それが、大阪誠昭会の目標です。

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これを見ればすべてがわかる 本ができるまで Book Making Story

なぜ保育園がレシピ本をつくることになったのか?
その経緯はとても一言では伝えきれないので、
この本を作るにあたって
参加した様々な人々の紹介を踏まえつつ、
そのいきさつや想いを紐解いてみましょう。

第1話
本を出したい!

きっかけは保育園の理事長。ねやがわ寝屋の森こども園ねやがわ成美の森こども園の取り組みをもっともっとたくさんの人に知ってもらいたい。そんな思いをずっと持っていました。HPに園の紹介を書くとか、そんなことじゃなくて。そして、アレコレ考えているうちに思いついたのが、保育園で「本を出版すること」。というのも理事長の趣味は読書。
「保育園で本を出せたら、きっと楽しいだろうな」なんて夢をひそかに持っていました。可愛い子どもたちや頑張っている先生たちを見ていると、その想いはどんどんつのり、ついに覚悟を決めたのでした。

さて、とはいえ、どんな本を出そうかな。内容よりも先に「本を出版する」ということを決めてしまったものの、内容が真っ白な状態。教育のことを書こうか、子育てのことを書こうか…。でも学術的な堅苦しい本を書いても、たくさんの人に園の取り組みを知ってもらうには程遠いし、なんだか自己満足のような気がするし……。こんな感じででさっぱり思いつきませんでした。来る日も来る日も悩み続けたある日、一つの考えが浮かびました。
パレード原田さんに相談してみるか」。
株式会社パレードは園のWEBサイトやパンフレットなどの制作をお願いしているデザイン会社です。理事長がいつも頼りにしているブレーンの一人です。
そして新たに制作するパンフレットの制作打合せの時に
「原田さん、本作ってみたいんですけどね。なんか方法あります?」
とさりげなく、問い合わせ。
「うちに出版部ありますけど、一度相談してみます?」

そんな話から、出版部の森さんをご紹介いただき、出版についていろいろなことを教えてもらったのです。聞けば聞くほど、出版って結構大変な作業。ちょっと甘く考えていた自分がいました。自分だけでは到底できそうにありません。
森さんの話を聞いた帰り道、ガックリと肩を落とし家路についたときの記憶を今でも鮮明に覚えています。
「園で本を出すなんてちょっと無謀だったかな」
そんな独り言をぽつりとつぶやいたのでした。

つづく

第2話
レシピ本をつくろう

出版の難しさを知り、がっくりと肩を落として家路についたものの……。
理事長はその日以来、ずっと出版のことを考えていました。
どんなことを題材にしようか?やはり保育園らしく、子どものことや教育について書くべきだろうか。でも、学術的な本を書いたって、読む人は限定されるし、ましてやそんな本は世の学者の方々がたくさん書かれているので、今さら僕たちの出る幕じゃない……。
ああでもない、こうでもないと考える毎日。

そんな中、月1回の定例である給食会議に出席したときのこと。ひょんなことから、出版の方向性が決まったのです。きっかけは、園の畑で園児たちが収穫したさつま芋。全園児が持って帰るほどの量もないし、小さいし見てくれも不細工。でも子どもたちが愛情込めて作ったせっかくのさつま芋……。
「園の給食のメニューに使えないかな?」
理事長は、先生たちや給食の業務委託をお願いしている魚国総本社さんの栄養士に投げかけました。
「子どもたちが作った野菜を使って、
自宅でも親子で作れちゃうようなレシピが良いな」
そんな意見が会議の中で飛び交う中で、理事長はこれまで頭の中をぐるぐると駆け巡っていた本の方向性がビビビと浮かび上がってきたのです。
「保育園のオリジナル料理を考えるのってどう?」
つまり、子どもたちが作った野菜を使った、園のオリジナルレシピ。子どもたちが野菜を作り、大人はその食材でオリジナルレシピを考える。そんなメニューを給食で出して好評だったら、各家庭でも再現できるわけです。そして、そのレシピを本にすれば良い!保育園がレシピ本を出すというのはあまり聞いたことがないし、園の魅力も伝えられ、なによりこれって究極の食育じゃないか?と、理事長は気づきました。
「それ素敵だと思います」
「楽しそうじゃないですか!やりますか?」
先生たちや魚国総本社さんも賛同し、急に本のテーマが決まったのでした。
それからというもの、トントン拍子に話が進み、魚国総本社さんが全社を挙げてレシピ制作の全面協力をいただけるということになりました。

とはいえ、具体的にどうすれば良いだろうか。どんな構成、どんなデザイン、どんな文章?そんな話をしている際に、パレードの原田さんから提案を受けました。
「うちの会社って東京にクリエイティブ室があるんですけど、そこのディレクターの赤迫に相談してみるのが良いと思いますよ」
メジャーな広告からパッケージやブランディングを手がけている、パレードのクリエイティブ室"THE END”。
そんなチームが関わってくれるなんて、だんだんと話が大きくなってきたではありませんか。
理事長も先生たちも期待でワクワクです。

「まずは赤迫に会ってみてください」
そんなわけで、原田さん、赤迫さんと、第1回目ミーティングを行うことになりました。まだ会ったこともない赤迫さんから、ミーティングに向けてそれはそれはたくさんの宿題が理事長に出されました。

「今回の出版に関するとしたイメージや資料をできるだけ集めておいてください。ミーティングの時には、なんでもいいですから、思っていることを頭の中がすっからかんになるぐらい話してみてください。別に構える必要はありませんから」

そんな宿題を唐突に出されて、とにかく直感で思いついた資料や書き留めていたメモ、写真、おしゃれなレシピ本、保育図書、小説、ビジネス書、雑誌などなど、とにかくたくさん集めてミーティングに臨むのでした。

つづく

第3話
本づくり1レシピ開発

赤迫さんからの宿題を必死でこなす日々。
ようやく理事長の考えらしきものを“ふわっと”伝えられるそうな資料があつまりました。
いよいよ初めてのミーティング。
「赤迫さんってどんな人なんだろう? なんでもいろんな賞などを取っているクリエイターらしい」
そんな情報しかないまま、赤迫さんとご対面。
思っていた通り、ドンピシャのような「いかにもクリエイター」という雰囲気の方でした。そして話してみると、もっともっとクリエイター。そんな納得と同時に、ワクワクも倍増。
理事長は挨拶もそこそこに、まずは自分の思いのたけを赤迫さんにすべてぶつけたのでした。

THE END アートディレクター 赤迫さん

そして2か月後、第2回目のミーディング。今回は理事長だけではなく、先生たちや魚国総本社の方々も集められ、赤迫さんからプレゼンが行われました。
「なんかいいものができそう!」
“ふわっと”思い描いていたものが赤迫さんの中で咀嚼され、すごいものへと変貌を遂げて……。予感が確信に変わる瞬間でした。

「2か月くらいの期限で、とりあえず各々がレシピを考えて提出してみましょう。たくさん集めて、みんなでレシピを絞りましょう」
またまた赤迫さんからはこんな唐突な宿題が。まずやるべきことは、自分たちの園で収穫できる野菜や米を使ったオリジナルレシピを考えよう、ということです。赤迫さんのコンセプトのもと、各園の先生たちと魚国総本社の皆さんでレシピを考案することになりました。

そして私たちは来る日も来る日もレシピのことを考えるのでした。
本屋さんに立ち寄ってはレシピコーナーに。
でも、ここでは大人用のレシピしかない。
大人はもちろん、子どもたちも楽しんで、給食にも出せたりするレシピって……。
そんなことを考えながら、休憩時間もレシピの話をしたり、自分のお母さんにレシピを聞いたり、はたまた田舎の祖母にまで電話したり。
あっという間に2か月が経過し、みんな思い思いのレシピを持ち寄って、第3回目のミーティング行いました。
「これはどんなものをイメージしてるんでしょうか?」「このタイトルのほうが良くないですか?」など、赤迫さんから雨あられの意見や質問攻め。そして、300以上持ち寄ったレシピの中から、どうにか約90のレシピに厳選されたのでした。
とはいえ、これらを具体的なものにしていかなければなりません。
いよいよ魚国さんの本格参戦です。
「どんな切り方にしようか。どんな盛り付けにしようか。味付けは……、組み合わせは……、」
魚国さんの協力のもと、レシピが一通り具体的なものになりました。

しかし、これからが本番。実際に試作するのです。もくれん保育園(現:ねやがわ成美の森こども園)横のコミュニティセンターの料理室を連日貸し切り、朝から晩まで職員総出で作業。魚国さんのサポートのもと、試作品を作っては試食、作り直しては試食を繰り返す日々。試行錯誤の末、最後は全員でレシピにランキングをつけ、ようやく本で紹介した54のレシピが勝ち残りました。
この試作は本当に大変で、レシピ考案から最終的な54レシピが決まるまで、なんと約1年2か月かかったのです。

つづく

第4話
本づくり2撮影とデザイン

厳選された54レシピがようやく決まりましたが、いよいよこれからが本格的な本づくりの始まりです。料理のおいしさをちゃんと伝えるにはどうすればよいか?
魚国さんと先生たちは、食材や調味料などベストな状態を目指して最終調整。赤迫さんは、撮影に向けて料理を引き立たてる器をセレクトし、盛り付けにもこだわります。さらに文章は、コピーライターの久下さんにお手伝いいただきました。理事長や先生たちの資料や下書きがプロの手によって仕上げられることで、子どもたちの日ごろの活動がイメージでき、自然と笑顔がこぼれてくる、そんなほっこりとした文章に。

本文やデザインが着々と進行する中、いよいよレシピ撮影の日。この1日で54のレシピすべてをつくり、撮影までしなくてはなりません。
もくれん保育園(現:ねやがわ成美の森こども園)横にある、コミュニティセンターの料理室を貸し切り、先生たちと魚国総本社さんは、どんどん料理をつくっては盛り付けます。パレードさん、THE ENDさん、カメラマンさんは、仕上がった料理を木のテーブルの上にのせて、丁寧にセンスよく撮影。事前に組んだタイムスケジュールを確認しながら、みんなで声を掛け合い……、54種類すべての撮影をなんとか乗り切りました。朝から始めたにもかかわらず、気が付けば終わったのはコミュニティセンターが閉館する間際。「寝食を忘れる」とはまさにこのことですね。
最後のレシピの撮影が終わった瞬間、自然とどこからともなくパチパチと拍手が起き、次第に大きな拍手に。みんなが一つの目標に向かって協力し合った達成感で、自然と涙が……。みんな疲れ切って、料理を食べる気力さえ残っていないほどぶっ続けでやり切りました。 「しんどかったけど、なんかすがすがしい気持ちがした。」
そう語ってくれた先生もいました。

撮影も終わり、本文もできあがり、残すはデザインの詰めです。 赤迫さんこだわりのイラストレーター、武政諒さんに表紙と文中のイラストを依頼。武政さんも赤迫さん同様に数々の受賞歴を持つ、有名なイラストレーターさんです。武政さんが素晴らしいイラストを書き上げ、赤迫さんがそのイラストやデザインで、私たちの魂のレシピを素晴らしい作品へと昇華させてくれました。初めて表紙を見た時、そのデザインやギミックに自然と「おお~っ」と声が漏れたほど。これなら本屋さんの中でも埋もれてしまうことなく、私たちの汗と涙の結晶であるこの作品が、ひときわ目立つに違いありません。
本文、レシピ、写真、装丁、イラストといった本の骨格が出来上がり、あとは理事長が思いのたけを「はじめに」と「おわりに」に書き締めくくることで、この本の制作プロジェクトはようやく幕を下ろすのでした。

パレードの原田さんより、2017年8月28日に発売日が決まったとの連絡を受け、私たちのボルテージは頂点に達します。

つづく

最終話
「保育園産の米」発売

2017年8月28日、いよいよ私たちの「保育園産の米」が発売となりました。
発売と同時にプレスリリースも配信すると、yahoo!ニュースをはじめとするメジャーな媒体に取り上げられるなど、大きな反響がありました。
さらに、北は北海道、南は鹿児島まで全国の書店から注文が入り、紀伊国屋書店、丸善ジュンク堂書店など大手書店でも平積みされるなど、初月の売れ行きはかなり好調。嬉しいを通りこして、本当にびっくりです。

そして、出版プロジェクトのメンバーから声があがります。
「せっかくだし、みんなで書店回りしてみない?」
「営業じゃなくて、本を取り扱ってくれたことへのお礼をしに行きたいな。」
「私たち作者の顔が見えれば、より書店の方も親近感が湧いて良いかも。」
と、反響とともに、みんなのテンションは日増しに上がっていくのでした。

旭屋書店さん、蔦屋書店さん、平和書店さん、恵文社さんなど、まずは、園の近くにある書店へ。
本を置いてくださっていると知ってはいるものの、この目で確かめるまでは信じられずにドキドキです。実際に本を見つけた時には、「あった~!!」と思わず大声を出してしまったほど。
訪問したすべての書店で、店長さんなどにご挨拶をさせていただきました。販促ポスターを貼らせてもらったり、記念撮影をお願いをしたり、お礼に行ってるのか逆にさらにお世話になってしまったのか、なんだかわからない書店回りになってしまいましたね。

一方、マスコミからも取材やお問い合わせを多数いただきました。例えば、ananやBRUTUSなどでおなじみ、メジャーな出版社マガジンハウスさんが発行するWebマガジン「コロカル」で取り上げていただほか、ラジオにおいては生放送で園に取材がきたり、理事長が40分ものロングインタビュー出演を果たしました。、NHKラジオでは「食育」をテーマに取り上げていただくだなど、大きな反響をいただきました。

また、本のデザインやイラストにおいては、海外&国内複数のデザイン賞を受賞・入選するなど、信じられないことの連続。私たちにとっては、すべてがかけがえのない宝物になる出来事でした。

正直、軽い気持ちで「本を作ってみたい」と理事長が考えたのがきっかけでしたが、まさかこんなことになるなんて、当然誰も想像していません。
この出版プロジェクトを通して「社会福祉法人大阪誠昭会」の取り組みをたくさんの方に知ってもらう、というのが当初の目的でした。しかし、それ以上に、一人ではできないことも、たくさんの人たちが想いを共にし協力し合うことで、自分たちの能力以上の結果が出せるのだという、チームビルディングを体感できたように思いうのです。

これからも、社会福祉法人 大阪誠昭会は走り続けていきます。
もしかして出版第2弾!なんてこともあるかも?その時はみなさま、またどうぞよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、この場をお借りして「保育園産の米」の出版に関わっていただいた、すべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました!

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